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SAP Japan主催「Automotive forum in Nagoya」

[ ITS/CASE&MaaS 自動運転 ]

8月5日名古屋マリオットホテルでSAP Japan社のAutomotive forum in nagoya 2015 が開催され、冒頭ののゲスト基調講演と最終の講演の2件を取材した。
10時から17:30までの講演会であったが、主たるテーマは自動運転で700人の聴衆は途中退席する人はほとんど皆無で関心の深さを示していた。
基調講演した(株)トヨタIT開発センター谷口覚社長は「クルマとIT技術の連携と今後の展開」と題し、社会的課題である安全・環境・エネルギー・快適への取り組みについて「手堅く・真面目」に紹介していた。ほとんど既報の情報であるが体系的に理解し直すことができたという意味では有意義であった。
また今秋にも市場に提供される700MHz帯をを使った安全支援システム及び東富士のITS実験場の紹介などは同社の着実な取り組みを示す例として聴衆に好印象を与えたものと思われる。
最終の講演は 日経Automotive Technology 初代編集長で現在オートインサイト社代表の鶴原 吉郎 氏による「つながるクルマ、かしこいクルマが迫る構造変化~ソフト化、サービス化がビジネスを変える」はIT業界のビジネスモデルの変化を例に挙げながら、日本の自動車産業のビジネスモデルに「杞憂に終われば良いが」と前置きしながらも厳しい「警鐘」を鳴らしていた。
そのポイントは以下の通り。
1.日本のIT業界の凋落は、「もの」から「もの+サービス」の複合形態に変化して来た市 場への対応への遅れにある。
2.Apple,Google,Microsoft 等IT業界の競争は「各機能を垂直統合化」した総合的な競争に変化している。
3.IT業界だけでなく他の製造業でも例えばGEのジェットエンジンのビジネスが使用時間課金方式に変化して来ている。
4.自動車業界も「馬車から自動車」への変化と同じぐらいの変革の時代を迎えており、従来の「ものだけの価格、品質競争」から「モビリティサーービス」の時代になりつつある。
5.自動車業界は「自動運転=無人運転」には消極的だが、インフラに頼る「高度安全支 援システム」だけに固執すると「カラバコス化」し「技術で勝つがビジネスで負ける(妹尾誠一郎氏)」恐れがある。
6.IT業界が開発途上国の自動車産業と連携し,「無人運転車」を具体化させる可能性もあ る。

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<鶴原 吉郎 氏>

今回の「Automotive forum in Nagoya」とは全く関係ないが、10日の日経新聞が報道した2015年度の「各社の研究開発投資額」でもこの分野での自動車各社の積極的な姿勢が見て取れる。しかし、トヨタとデンソーは投資分野として「高度安全運転支援技術」を掲げ本田、日産が「自動運転」と記載している。先述の鶴原 吉郎 氏の講演の文脈と合わせてみると、「無人運転」に関するトヨタの明確な「メッセ―ジ」を読み取る事ができる。
<各社の研究開発投資計画=出所日経>

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