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「災害時プローブ」がシステムとして稼働(更新)

[ ITS/CASE&MaaS ]

 ITSジャパンは、大規模な災害が起きた際、12時間以内に車両の通行実績情報を集めるシステムの運用を開始した。トヨタ自動車、ホンダなど8社が手がけるテレマティクス(カーナビ向け情報サービス)の走行履歴情報を匿名化したうえで集約、米グーグル社の「グーグルマップ」などで参照できるようにするほか、道路管理者などへも提供する。走行履歴を提供する車両数は約400万台。東日本大震災で威力を発揮した「災害プローブ」がシステムとして動き出す。

  ITSジャパンは東日本大震災の発生後、トヨタやホンダ、パイオニアなどの走行情報を急きょ集めて「自動車・運行実績情報マップ」として公開。通行可能な道路がリアルタイムで把握できるため、救援物質の運搬などに役立ち、交通系の「ビッグデータ」活用例として注目されて来た。

  車両情報を提供するのは自家用乗用車系のトヨタ、ホンダ、日産自動車、パイオニア、タクシー系の富士通、トラック系のいすゞと日野自動車、UDトラックスの合わせて8社。乗用車のほか、トラックが通行できたどうかの情報も提供する。トラックは積載量4トンを基準とし小型、大型に分けて表示する。これにより、震災時には不可能だった「乗用車は通れるが、大型トラックは無理」といったキメ細かい情報を把握することが可能になる。
  今後は、災害発生から情報提供開始までの時間を短くするよう、システムや手順の改良などに取り組む考え。


■乗用車・トラック通行実績情報の集約・配信活動の概要 (ITS JAPAN)

(1) 乗用車・トラック通行実績情報の集約・配信の判断基準
乗用車・トラック通行実績情報の集約・配信について、以下の判断基準を設けました。
①震度6弱以上(東京23区は5強以上)の地震発生時に提供開始
※提供エリアは、震源地を含む震度5強以上が発生した複数の1次メッシュとする
※1次メッシュとは、緯度経度に基づき約80㎞四方の区域(メッシュ)に分けたもの
②風水害、火山活動、土砂崩れなどの広域災害で、内閣府に非常災害対策本部が設置され、
広範囲の道路交通に支障がある広域的な災害であると判断したときに個別に対応する

(2) 乗用車・トラック通行実績情報の集約・配信の運用
①発災後12時間以内を目標に配信開始、1時間更新を1週間継続する
※情報提供はベストエフォートで行う
②通行実績情報は、集約、統合化により個別識別できないデータに加工する

(3) 乗用車・トラック通行実績情報の集約・配信の仕組み
乗用車・トラック通行実績情報の集約・配信の仕組みを以下に概説します。

①災害の検知、通行実績情報の集約
地震発生時は、気象庁が発表する防災情報に連動し、震度6弱以上(東京23区は5強以
上)が発生した場合、プローブ情報保有各社へシステム運用開始依頼を通知し、通行実績情報の集約・配信が自動起動します。
また、風水害、雪害、土砂崩れなどの災害発生時は、報道を注視し内閣府が発表する『非
常災害対策本部』が設置されたことを確認し、広範囲の道路交通に支障がある広域的な災害であると判断したときに、手動により各社へシステム運用開始依頼を通知し、通行実績情報の集約をスタートします。

②通行実績情報の配信
集約された通行実績情報は、画像データとして Google マップなどのデジタル地図とマッ
シュアップして一般公開するほか、行政機関(府省庁など)に通行実績情報をデータとして提供します。

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