トヨタ コネクテッド戦略とMaaS |
[ ITS/CASE&MaaS ITS海外情報 トヨタ ] 2017年1月 5日 |
トヨタの友山専務は,昨年の11月1日行った「トヨタのコネクテッド戦略」に関する説明会で
「モビりティサービスのプラットフォーマー」になると宣言した。
同氏は戦略の3本の矢として
第1「全車のコネクテッド化」、第2「ビッグデータの活用を推進」第3新たな「モビリティサービス「を創出を挙げた。
その中で一番注目すべきは第3の矢である。同社は既に
2016年4月テレマティクス保険に必要なソリューションを提供する新会社「トヨタ インシュランス マネジメントソリューションズUSA(TIMS)」を設立、
さらにライドシェア事業者との提携を容易にする「フレキシブルリースプログラム」を開発するとともに
同プログラムは、ライドシェア大手のUber Technologiesと共同で、米国内でパイロットサービスを始めるとともにカーシェアの課題となっているのが鍵の受け渡しについて
「スマートキーボックス(SKB)」を開発し米国ベンチャーのGetaroundと共同で2017年1月にテストサービスを開始する。
以上のことは現在、ユーザーの思考が「所有から利用」へと移行する中で交通分野で脚光を浴びている「MaaS=Mobility as a Service」のプラットフォーマーを目指すことをを意味する。
"MaaS"は昨年メルボルンで開催されたITS世界会議で英国CATPULT社(運輸技術開発法人) の戦略立案責任者であるMr.AndrewEverrettが、その概念を以下の1~3の3つの観点で分かり易く要約していた。
1. "MaaS"とは「デジタル情報をベースに交通関連サービスを提供し、顧客(人及び物)のモビリティ(知的移動)の要件を満たすこと。
「個別の交通システムの所有やマネジメントではなく、ユーザーに対し、より魅力のある交通の仕組みと使い方を創造し、新たなモビリティサービスを提供する。
2. 交通サービス利用者と既存の交通サービス提供者の間に「MaaSプロバイダーとデータプロバイダー」が参入し、新しいビジネスが発生することを想定していること。
3"MaaS"により、渋滞や不便など従来のモビリティに対し、隘路の除去、選択肢の拡大、ライフスタイルの改善をもたらすこと。
つまり、MaaSが展開されることにより、今後のトレンドとしては、各種のネットワークが統合され交通の多様化が進み、自動車をシェアする仕組みの普及が促進されることになる。
さらに同会議でCubic社はMaaSのアウトカムとして、以下の9項目を挙げていた。
1)すべての人が利用できるマルチな交通による移動
2)既存インフラの最適化
3)渋滞の軽減化
4)大気汚染の軽減化
5)インフラのより良い計画
6)多くの人への個人的アドバイス
7)家族にとっても個人にとっても最適な解
8)高齢者にとっても障害者にとっても複数の選択
9)全ての移動者にとって利便性の改善
トヨタが「MaaSプロバイダーとデータプロバイダー」になれるか?既存の「単体売り切り」のビジネスモデルとの調整が続く。