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ITS世界会議東京2013総括&動画総集編

[ ITS/CASE&MaaS トヨタ パーソナルモビリティ 特集記事 ]


第20回ITS世界会議
ITS世界会議が2004年の名古屋以来9年ぶりに日本で開催された。
(1)テーマの意義:2004年のテーマは「飛躍する移動=ITS for Livable Society」で関係する産官学が総力を上げて取り組んだ。その後アジア・パシッフィックでは北京、釜山で開催されたてきたが、2008年のリーマンショックに象徴的される世界的な不況の中で「ビジネス機会」を求める経済界からは、冷たい視線が向けられてきた時期もあった。2007年の北京大会では中国市場への期待からか盛況であったが、2008年のNY以降米国自動車業界は実質的不参加(NYのトップスポンサーはBosch)であったし、2011年フロリダ・オーランドで開催された第18回会議のテーマが「Keeping the Economy Moving」で経済や雇用を強く意識したスピーチが多かったことを思い出す。
第20回会議を迎え、ITSジャパンは会員確保に苦労して来たし、スポンサー確保も楽ではなかったはずである。また、日本という欧米からは遠く離れた極東での開催、直前に起きた米国での予算執行停止という事情などから欧米からの出席は少ない。その中で、第20回会議は「Open ITS to The Next」=飛躍するITSをテーマに開催された。名古屋会議当時も、関係者間では,ITS Second Stageがキャッチフレーズであったが、ようやく今回、具体的に第2段階に入りつつあると実感できる。
(2)課題解決の方法:すなわち、交通安全、省資源、環境保護という国策の目標が、「自動運転」などの技術の積み重ねと社会的な関心の高まりの中で「ITS」への期待に繋がる可能性を示していることである。また、いささか、キャッチフレーズ先行、関係業界によるキャンペーン的な匂いもしないわけではないが「ビッグデータ処理」の能力向上が、交通問題解決や災害対策の手段として有力視されて来ている。
(3)市民参加の盛り上がり:わが国では、タイミングよく経済環境が底を打った気配があるし、また7年後には「オリンピック」開催が確定しメガシティの交通問題の手段としてITSを活用する機運も盛り上がりつつある。具体的なイベント目標を定めそれに向かってベクトルを合わせることが好きな国民性からして好都合と言える。今回初めて日本組織委員会主催で市民を始め一般を対象にした「公開トークセッション」が数多く開催され、いずれも盛況であった。登壇者から自動運転のセッションで「この勢いを大切にしたい」という発言もあったが、官民合わせて好機と捉えるべきだと思う。
(4)次回へのメッセージ:今回の会議は、「Open ITS to The Next」を実現する打ち手として明確なテーマを打ち出したが、今後21回デトロイト、22回ボルドーに引き継がれることが、ITS浮揚の鍵になると思われる。その意味で、矢野世界会議議長が、次回会議へのメッセージとして「交通事故ゼロ」「自動運転の推進」「ビッグデータの公開と運用」の継続を訴えた意義は大きし、3極のラポーターのまとめにもあった「3極の連携」がますます重要になる。また、今回表彰にリヨン、オレゴン、ソウルという「都市や地域」が対象に選ばれたのは、具体的にITSを展開、実現する「場」の関係者に良い刺激を与えたと思われる。
(5)その他の課題:今回の世界会議は、今月はじめに開催されたJEITA主催のCESTEC,11月下旬JAMA主催で開催予定の東京モーターショーとの連携開催とした。CEATEC同様モーターショーも欧米からの参加は少ない見込みであり、日本市場の魅力不足という基本的課題を改めて見せつけられた

開会式、展示場、会議、公開討論会、市民参加、ショーケース、閉会式、GALA,、ポストコングレス
の概要について収録。

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