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コロナ禍と交通関連企業業績悪化

[ Editor’s Column ]

●旅行業界最大手のJTBが5月28日発表した2021年3月期連結決算は、最終利益が過去最悪となる1051億円の赤字(前期は16億円の黒字)だった。
また、JRや私鉄など主要鉄道大手21社の全社が最終赤字となった。 JALは当期2866億円、ANAホールディングスは過去最大の4046億円の赤字と発表した。
いずれも主として新型コロナウイルス感染を防ぐための移動自粛の影響である。

●帝国データバンクは「業界天気図」で主要業界の情勢を「快晴から雷雨」の7段階の天気で表しているが、それによると、航空旅客、ホテル・旅館は最悪の「雷雨」鉄道は「雨」である。
ちなみに居酒屋チェーンや出版・新聞は「雷雨」百貨店が「雨」の中でドラックストアーとゲームソフトが数少ない「晴」組である。
https://www.tdb.co.jp/lineup/publish/tdbrep2021-II/pdf/168_380.pdf

内閣府は18日2021年1~3月のGDP速報値を発表した。それによると、実質の気絶変動調整値で前期比-1.3%減、年率換算-5.1%で戦後最大の下げ幅と言われる。

●こうした環境下で学会レベルの研究・提言活動を積極的に展開している例として「日本モビリティ マネジメント(MM)研究会(以下JCOMM)代表理事 藤井京大教授」がある。
MMとは「ひとり一人の意識や行動を十分に踏まえるところから、交通の問題を考えていく」というものでコロナ禍の中で行われる「外出自粛」など行動変容関連政策に最も関係の深い学会の一つと言える。

●JCOMMは、昨年6月にWebnar「交通崩壊を防げ~新型コロナから暮らしと街を守るには~」を開催し、公共交通機関への3.5兆円規模の緊急支援を提案している。
さらに、今年3月には同じく「アフター宣⾔解除:まちと暮らしのひらき⽅」と題したWebnarを開催した。https://www.jcomm.or.jp/covid19/jcomm00.jpg
その中で川端京大・助教等は「政府補償は『感染症対策』と『経済回復」の双⽅を促す効果を持つ」と題して論文を発表している。
同論文では「2020年第2・第3四半期の44ヵ国のデータから、感染対策のための行動制限はGDPを大きく低下させることが分かるが、政府補償の影響を比較可能なG7各国に着目すると、政府補償が行動制限を促進するとともに、制限解除後の経済回復をも促進する傾向が示唆された。」としている。「医療対策と経済・社会政策」の両立が喫緊の課題であり参考になる取り組みである。(今後追記予定)

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