MaaSプラットフォーマーの前哨戦 |
[ Editor’s Column 自動運転 ] 2018年1月29日 |
アルファベットの4文字、3文字略語には辟易しながらも、ITS業界に少しでも関わっていると使用せざる得ない。
この欄でもたびたび取り上げているが、クルマのCASE化(Connected、Autonomous、Shared、Electric)によりMaaS(Mobility-as-a-Service)市場の重要性が喧伝されている。
今月、ラスベガスで開催されたCES2018や、お台場で開催された展示会Automotive World2018の併設セミナーで関連のプレゼンがあった。
CES 2018では昨年以上に自動車産業関連トップの参加があった。
▼基調講演にフォ-ドのジム・ハケット(Jim Hackett)社長兼CEOが登場し、「モビリティソリューションとスマー トシティ」について講演、その中で「都市の道を変えれば世界が変わる」と語り、地図や無人車両の配送サービスなどを総合するプラットフォーム「TMC(交通移動クラウド)」構想を打ち出した。
同社はビル・フォード会長がかねがね同様の主張を展開し、ハケット氏自身がCEO就任直前までフォード・スマート・モビリティの責任者として、同社の自動運転、ライドシェア、その他ベンチャー事業への進出を指揮してきただけに本気度がうかがえる。
100年前にT型フォードで自動車時代の幕開けを担った同社が、来るべき新時代にモビリティ産業への変身に挑戦している。
▼トヨタの豊田章男社長も
「モビリティーサービスのプラットフォームを担う会社になりたい」と新たな領域での成長に決意を示した。同氏はプレゼンの中で「自動運転機能を備えた箱型のEV「e-パレット・コンセプト」をeAutono-MaaSビジネスアプリケーションに対するトヨタのビジョン一例として紹介した。
また「e-パレット」のパートナーとして、アマゾン、ピザハット、ウーバ(Uber)、ディディチューシン(Didi Chuxing)の異業種とマツダを紹介した。
▼ホンダは。2016年にGoogleとの提携発表後沈黙を守っているが、何れの機会でのアナウンスを期待したい
▼Automotive World2018の併設セミナーAUTO-1ではインテル政策・事業開発ダイレクター野辺継男氏が登壇し、モビリティサービス事業が進展する段階で、市場優位性はクルマのOEMからサービスプロバイダーに移行するという見解を述べた。同氏は、自技会やオンラインセミナーでも同様の主張を行っている。(下記は2017年12月5日 ReVion Auto&Mobilityのオンラインセミナーから引用) ▼フォードやトヨタの動きを見ていると業界の強い危機感が見て取れる。