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国交省【次世代ITS="ETC3.0"開発】ロードマップ発表

[ Editor’s Column ITS/CASE&MaaS ]

同省では、年内に検討会を設置して,
サービス・データの具体化、次世代のITSに求められる機能要件の具体化、などを行い、共同研究等で機器仕様も具体化、その中で、2020年代後半には、次世代のITSを開発して運用開始したいとしている。

■「検討会」に幅広いステークホルダーの参画と議論を期待

国交省の提案は、実質的には1996年に関係5省庁(当時)によりITS推進に関する全体構想を策定、9項目の開発分野が提示されて以来となる。 その間、交通事故の減少や、地球温暖化など交通課題の変化、CASEなど要求の多様化、通信・AIなどの関連技術発展により、ITSを取り巻く環境は激変している。

●「検討会」の議論の焦点は、"ETC3.0"

「検討会」の検討すべき課題も多いがあえて絞り込むと「次世代ETC」の内容であると言える。
基本政策部会の委員の一人である羽藤東大教授は8月3日の部会の中で次のように述べている。(出所 議事録)

第1点は次のETCを目指すときに2ウェイの通信インフラは確保していくようなことが重要ではないかなというふうに思っておりますので、5Gプラスもう一つ回線をデフォルトとするような形で、ETC3.0というものをぜひ目指すというふうに、道路局さんとして宣言していただけないかなということを強く思っています。

2点目
といたしまして、ただ、そういったETC3.0というものは、今、道路局さんで整
備中のxROADというデータプラットフォームがございますが、ここの上に、各社がつ
くるAPIのようなサービスが乗っかってくる、全く新しい情報サービスプラットフォー
ムをつくるというような気概でやっていただけないかと思っています。

特に、新東名とか見ますと、自動走行の専用レーンが取れそうであったり、あるいは一
般道でも観光地ではダイナミックロードプライシングが求められているところでもござい
ますので、料金システムの更新、要するに多様な料金体系を季節、時間帯に応じて、どん
どん需要に応じて変えていける、そうしたサービスについては、今お話があったような既
存のシステムでは難しいということでございますので、この料金形態の更新という意味で
も、料金収受システムの明確な更新計画をこのETC3.0とセットで立てていただくとい
うことを、ぜひ道路局さんのこの基本政策部会の中で考えていただけないかなというふう
に思った次第です

同教授の提案は、ETCを料金収受の手段から、今後の自動料金政策、自動運転技術の "ど真ん中"に据えて
技術や制度などの構築を図るべきという思い切った提案である。"ETC3.0"と称した理由である。Sip Adusでも今まで公式議論されてきてない項目である。
「官プローブ情報の収集」DSRCに加えて「広域通信を加えた2Way」など影響は大きい。

●検討会の構成
従い、新設される検討会は幅広いステークホルダーの参画と議論が必要になる。

交基本政策部会の学識経験者に加え、通信、セキュリティ、さらには消費者の参加は不可欠であろう。さらに、4省庁5局、JAMA・JEITAなどの関連業界などのステークホルダーによる幅広い議論は不可欠である。

●ETCの歴史を振り返ると、当初の普及は順調とは言えず、「緊急経済対策による高速道路料金割引」で軌道に乗った。

しかし、駐車場やドライブインでの決済の民サービス、ITSアンテナ情報による高速道路の一部乗り降り可能可、渋滞情報に基づくトラックの迂回指示などのETC2.0サービスは、順調とは言えない。 ETCとは関係ないが、総務省が推進中の700MHz帯の路車通信は普及していない。新検討会の議論を注視したい。

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