スマートシティの論点3 トヨタ「Woven City」 |
[ Editor’s Column 自動運転 ] 2021年3月25日 |
■2月3日、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本の東富士工場跡地に建設される「Woven City」の地鎮祭・起工式が行われ、大々的に世界にむけ報道された。2020年1月、ラスベガスCESでプロジェクト概要が発表されて以来である。
▼公表されている関連情報は以下5項目。
1. 「ヒト中心の街」、「実証実験の街」、「未完成の街」が「Woven City」のブレない軸。
2. 地上に自動運転モビリティ専用、歩行者専用、歩行者とパーソナルモビリティが共存する3本の道を
網の目のように織り込み、地下にはモノの移動用の道を1本作る。
3. 2025年までに入居開始。
まず、高齢者、子育て世代の家族、発明家を中心に、360人程度、将来的にはトヨタの従業員を含む
2,000人以上の住民が暮らし、社会課題の解決に向けた発明がタイムリーに生み出せる環境を目指す。
4. 現在まで3,000社以上から参画・パートナーの申し入れ。
5. 開発検討主体は、1月にTRI-ADを改組した、「ウーブン・プラネット・ホールディングス」が担当する。
■一方、地元自治体である裾野市は積極的な支援体制を構築中である。
1. 2020年4月「裾野市みらい都市推進本部」(本部長:市長、事務局:みらい政策課)
2. 所掌事務
① ウーブン・シティの実現に向けた支援に関すること
② SDCC構想(スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想)の具現化に関すること
③ 規制緩和の検討および要望に関すること
④ データを利活用した政策立案およびデータの標準化の推進に関すること
3. 2021年1月
ウーブン・シティ周辺地域の整備に関する業務を担う専属職員3人を配置。
視察など多くの人がウーブン・シティを見学に訪れる状況を見据え、最寄り駅となる JR御殿場線・岩波駅 とのアクセス向上を図るなどの整備計画の策定に取り組む。
■スマートシティ・自動運転をめぐる政策動向
1. スマートシティについて、
内閣府地方創生推進本部は「国家戦略特区法」を改正し、地方自治体からの[スーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に関する公募]を(4月16日 締め切り)行っている。
全国約50の自治体が応募すると言われている。(内閣府はあえて"スーパーシティ"という名称を用いる)
スマートシティの具体例としては、会津若松市の取り組みが広く広報され、注目されている。
2. 自動運転について、
2020年4月道路運送車両法、道路交通法を改正・施工、いわゆる「レベル3」車の公道での走行が可能になり、3月にはホンダレジェンドが世界初の車両認可を受け、発売された。