トヨタ 超小型EV「C+pod」(シーポッド)発売 |
[ Editor’s Column トヨタ ] 2020年12月30日 |
■超小型モビリティ
•超小型電気自動車検討の歴史はふるい。
2005年の愛知万博ではトヨタがi-REAL(アイ・リアル)を展示、その後、各社が小型EVを相次いで発表した。
2010年には「高齢者にやさしい自動車開発推進知事連合」が、高齢者にやさしい自動車開発を提言している。また各地で実証実験が行われてきた。
筆者も豊田市、横浜市、福岡県、東京などの国内のみならず、フランス・パリやグルノーブルの実験を調査している。
結論は「社会的なニーズや潜在的な需要はあるがビジネスとしては大変難しい」ということである。
•今回発表の「C+pod」はこの辺りの苦労が見て取れる。
販売では、当面「法人や自治体」の限定販売としている。かねてからビジネスモデルについて共同研究してきた「法人や自治体」と「シェアリング」「MaaS」を含め検討しようということだろう。
次に個人向け販売となると、セカンドカーといえども現行の軽需要を転換させるだけの魅力があるか?がポイントとなる。利用者に自転車代わりの「単機能」を容認してもらうには壁が大きい。
トヨタのビィッツやダイハツ車と比較した寸法は以下の通りである。(出所トヨタ)
Mobility for Allをスローガンにモビリティ産業を目指すトヨタが、社会実験でなく実際のラストワンマイル市場創造に成功するには、さらなる価格・性能など企業努力はもちろん、例えば道交法による優遇措置、「共有交通機関」の検討、など制度を含めた改革が必須であろう。