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交通事故削減目標未達 その1

[ Editor’s Column 特集記事 ]

1-1 令和6年(2024年)における交通事故 の発生状況
2月27日警察庁は「令和6年における交通事故 の発生状況」を発表した。1月7日に交通事故死者数の速報値は発表しているが、その分析結果である。
それによると、交通事故死者数は前年比マイナス15人の2,663人であった。 直近3年のを見ると減少傾向は明らかに鈍化している。(図1)
すなわち、令和4年事故死者数は2,610人となり,過去最悪であった昭和45年の1万6,765人の約6分の1とすることができたが,令和5年の交通事故死者数は2,678人となり,平成27年以来8年ぶりに増加した。また,重傷者数についても,令和5年は2万7,636人であり,平成12年の8万105人から漸減傾向にあったものの,同年以来23年ぶりに増加した。
(図1 警察庁データを加工)
令和交通事故 グラフ合成のコピー.jpg>
前述の「令和6年における交通事故 の発生状況」では、特記事項として高齢者事故に加え、飲酒運転による死亡事故増加(表2 前年比28件、25.0%増),携帯電話使用時の死亡事故増加(表3 前年比7件、28.0%増)などについて特だししている。(図2・3)
これらは、道交法改正による従来の罰則強化の効果が薄れてきていることを示している。
(図2 警察庁データ)
2024飲酒運転事故.jpg
(図3 警察庁データ)
2024年携帯電話事故.jpg
1-2.第11次交通安全基本計画の目標は未達の可能性大
令和3年に策定した第11次交通安全基本計画では、令和7年に交通事故死者数の削減目標を2,000人と設定(図4)したが、直近3年の推移をみる限り残念ながら「目標未達」は確実である。
第11次計画策定に当たり令和2年3月に行った「道路交通安全に関する基本政策等に係る調査」では令和7年における交通事故後24時間以内の死者数を2,214~2,578人としたが、概ね予測に近い数値になりそうである。
(図4 警察庁 第11次交通安全基本計画の目標と対策
第11次計画目標.jpg
図5 「道路交通安全に関する基本政策等に係る調査報告書」抜粋
令和7年予測値.jpg
交通安全基本計画目標未達は、現行の11次計画だけでない。第10次計画は計画期間平成28年度(2016年)~平成32年度(令和2年 2020年)として、平成 28 年3月 策定された。同計画では、交通事故死削減目標値を2500人以下としたが、未達見込みとなり期間途中で改定されている。次期計画は、既計画目標未達の経験を踏まえて目標設定を行わねばならない。

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