「交通・モビリティ」から見た「スマートシティ」の論点 |
[ Editor’s Column ] 2020年12月23日 |
2.アークテクチャーによる俯瞰と整理の必要性
●内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の第2期の「ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術」の中、「スマートシティアーキテクチャ構築」が取り上げられた。
●3月にはレポートがまとめられ、6月コロナ禍の中WEBによる報告会が行われた。
発表された「スマートシティアーキテクチャ」は、検討整理すべき項目として以下の 9項目を列挙している。
①戦略・政策(ビジョン・スコープ)
②ルール(法律・規則等)
③組織(実施機関、協議会、運営組織等)
④ビジネス(サービス・ソリューション、エコシステム等)
⑤機能(サービス・ソリューションを実現するための個別機能等)
⑥データ
⑦データ提供(データ収集、データ統合、データクレンギング等)
⑧アセット(センサー、アクチュエーターハードウエアー、ネットワーク等)
⑨セキュリティ・認証
スマートシティのアーキテクチャのイメージ(出所内閣府)
●関係官庁は特区法改正に基づき自治体や企業から公募して、実装のための社会実験を行う手続きを進めている。
SIPでまとめたアーキテクチャーの項目は、結果的には常識的項目になっているが、政府予算のプロジェクトが社会実験だけで終わり社会実装につながらないケースが多いだけに「ビジネス」項目を挿入しているのは注目してよい。
各地の取り組みがSIPのアーキテクチャーの項目で整理され共通の土俵で整理されることを期待したい。
民間でもトヨタとSBがコアとなって設立したMONET Technologiesには60の企業、自治体、団体が参加している。世のなかの注目度は高いが、ビジネスの見通しはこれからというのが正直なところであろう。(MONET Technologies決算データ出所:自動運転ラボ)