各社スマートシティ投資に向け体制整備 |
[ ITS/CASE&MaaS 特集記事 ] 2011年1月18日 |
日揮株式会社と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下日本IBM)は、都市インフラ・ビジネス開発について提携することに合意した。これは、両社がインドにおけるデリー・ムンバイ間産業大動脈構想プロジェクトでの協業をさらに発展させるもの。
日揮と日本IBMは、日揮の海外での豊富なプロジェクト・マネージメントの実績、ならびに水、発電をはじめとするインフラ分野の事業運営力と、IBMが世界各地で支援している様々な都市インフラ支援、IT基盤構築の豊富な実績を、今回の協業を通じて活かす。 両社は、各々の都市が抱える固有の課題の解決支援を目標に、今後、日本国内および都市人口の増加、発展が著しいアジア、中東、アフリカ地域を中心に、交通、エネルギー、上下水道など都市づくりを支える都市インフラの支援を行う。
一方、日立は、2月1日付けで、社会イノベーション事業のグローバル展開強化に向け「海外プロジェクトファイナンス本部」を新設する。同社は、重点地域としている中華人民共和国・東南アジア・中東を中心としたアジアベルト地帯*や、中南米・東欧などの新興国・地域では、社会インフラ事業が数多く計画されているが、これらのプロジェクトには、政府や事業主、など多くの関係者が関わり、加えて、スマートグリッドや水処理事業のように、複数の事業分野を融合した提案や、設備・装置の納入にとどまらない工事や保守・運用サービス、ファイナンスまで含めた「パッケージ型インフラ事業」に対するニーズに対応する。
また、 三菱重工業は 13日、インドのグジャラート州政府などとスマートコミュニティ(環境配慮型都市)整備事業について包括合意したと発表した。同事業はインド政府がデリー―ムンバイ間で進める「産業大動脈構想」の一環。今後は街デザインの構想や事業計画の策定段階に進む。 三菱重工は三菱電機、三菱商事、三菱総合研究所、JパワーNX(電源開発)などと企業連合を形成。天然ガスや太陽熱を使った発電インフラの設置、電力を有効活用できるバスや電車の整備などに取り組む。事業を円滑に運営するため、タタ自動車グループなど現地有力企業との連携も検討している。
高速道路会社3社が開発途上国のインフラ事業に参画することを相次いで発表した。
西日本高速は国際協力機構(JICA)とも連携しながら、エチオピア、タンザニア、ガーナ、ルワンダ、ウガンダなどアフリカ諸国で技術移転のために維持管理研修を進める。また先月、アメリカで橋梁の点検事業に進出する方針を明らかにした。
中日本高速道路は、東南アジアを手はじめに、現地でのネットワーク構築につとめている。コンサルティング業務の受注などを目指して、2008年12月にベトナム・ハノイ市に現地事務所を開設した。
東日本高速道路は、料金徴収事業での海外展開を進めている。東日本高速が力を入れているのが、インド中南部にあるITビジネスの盛んな都市・ハイデラバードの外環道への料金システム導入である。今年2月には、料金システムの運営マニュアル作成や機器の調達支援プロジェクトを受注した。これらはいずれも、旧道路公団では海外事業は認められなかったが、民営化によって、高速道路事業以外の事業も国土交通省への届け出で認められるようになったからである。
東・中・西日本高速道路の主要高速道路3社は2011年度をめどに、共同でアジアなど新興地域の高速道路インフラを設計から運用まで一括受注するコンソーシアムを結成する検討に入った。ゼネコン、商社、保険会社、コンサルタントなどに参画を要請し、"オールジャパン"で受注する体制を整える。