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CEATEC2016のモデルチェンジ 長期低落傾向へ歯止め

[ イベント情報 ]

CEATEC JAPAN 2016が10月4日から7日にかけて幕張メッセで開催された。それに先立ち10月3日にプレス向けの「メディアコンベンション」があった。。
CEATECは2000年、従来の「エレクトロニクスショー」と 「COM JAPAN」を改組統合して「Combined Exhibition of Advanced Technologies」として新たにスタートした。電機業界の不振の中、出展企業の取り止めや来場者数の伸び悩みが続き、昨年は出展者数が531社・団体、来場者数が13万3048人と、いずれも16年の歴史において過去最低の結果に終った
最近は、モーターショーや東京開催のITS世界会議との連携を図ったりしている。昨年からは「CPS(Cyber-Physical System)・IoTの総合展」という性格を打ち出し、今年はさらに「特別企画展示」を行うなど、"家電見本市"というイメージから大きく脱皮しようと努めた。
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その結果、今年は出展者数は648社・団体(前年比22.0%増)、登録来場者数は145,180人(前年比9.1%増)と、出展者数・登録来場者数ともに大幅増となった。
「特別企画展示:IoTタウン」
会場の展示レイアウトは、CPS-IoTを支えるテクノロジ-ソフトウエア-エリア、AIパビリオン、家・街・社会エリアに区分されていた。昨年もほぼ同様の区分で行われてはいたが、今年は更に各製品の使用環境を明確に区分して展示していた。
中でも、今年の展示の特色は、企画展示として「IoTタウン」コーナーを設置したことにある。
同エリアでは、金融・観光・ロボット・ショッピング・仮想店舗など幅広い展示が行われていた。初参加の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、金融サービスのデジタルイノベーションとして、人工知能やオープンイノベーションを活用したサービスなどを展示していた。 また、JTBが仮想空間の疑似体験が可能な近未来のスマート店舗などを展示していた。コンベンションでは、記者からJEITA長尾専務理事に対し、我が国の「IoT」は欧米に比し出遅れているのではないか?という質問が出されたが、現時点は「横一線」の状況であろうと、回答していた。
ITS関係では見るべきものは特になかった
ここ2~3年と異なり、今年は、ITSに関する大きな出し物はなかった。あえて挙げるとするならば、ホンダの3Dプリンターで制作したパーソナルモビリティ(PM)と、日立が作成した歩道走行用の自動走行PMが展示されていた。
日立のPMはコンセプトとしては面白いが、センサー満載であり高価格感が否めず、現行の規制では「原付の免許を必要とする」など課題も多そうであり、実用には程遠いものに感じた。
レセプションには安倍総理も駆けつけた
メディアコンベンションは幕張メッセで行われたが、オープニングレセプションは大手町のパレスホテルで開催された。
今年は、安倍首相を始め、総務省、経済産業省の各大臣も補正予算成立直後の国会から、初めて馳せ参じ、基幹産業である「電機産業」の再興を強く期待する旨の挨拶があった。
特に首相は、5月のメルケル独首相との首脳会議で、IoTの基準作りで両国が連携することの合意に至ったことを紹介しあと、来年のハノーバー見本市には是非一緒に参加しようと発言し、会場の拍手喝さいを浴びていた。(写真提供CEATEC事務局)
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電機通信業界の不振の中、CEATECは、アジア最大という看板を上海での同様な展示会に奪われて久しい。今年は、少しでもそれを挽回しようという意気込みが見られた。
年始の経済団体の賀詞交歓会以外で首相と所管の大臣が単一の業界のレセプションに登壇するという例は非常に珍しい。事務局の相当の根回しの成果ではある。只、独が、貿易依存度の高い中国とIoTの分野で連携を強める動きがある中で、IoTは「日本の戦略的な未来への投資」の非常に重要なテーマであるという強いメッセージと共にその技術開発を、首相自らが業界関係者に鼓舞したとする見方もできる。

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