トヨタ、名大の豊田市中山間地における「モビリティ活用型モデルコミュニティの構築」に助成 |
[ Smart City/豊田市動向 高齢者とモビリティー ] 2016年3月30日 |
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation。以下、「TMF」)は、愛知県豊田市足助地区において「中山間地域におけるモビリティ活用型モデルコミュニティの構築」に向けて、名古屋大学と共同研究契約を締結した。
TMFの概要
本プロジェクトは、TMF設立以来4件目、日本国内においては岡山大についで2件目の支援事業となる。
国内では、多くの中山間地域において過疎化、高齢化が進み、地域住民の買い物や通院など移動に不自由が生じるとともに、外出頻度の低下による健康寿命への影響や、医療・介護などへの財政負担の増加が懸念されている。
このような状況において、名古屋大学未来社会創造機構では2014年よりCOI(Center of Innovation※)プロジェクトを通して「高齢者が元気になるモビリティ社会」の実現を目指しており、その一環として中山間地域でのモデルコミュニティづくりを足助地区及びその周辺地域で行う。具体的には、自家用車相乗りシステム、乗合タクシー、超小型EVなど多様な移動手段と、高齢者はじめ住民が乗り物へのアクセスを申し込むタブレットを提供し、さらに高齢者の健康見守りサービスの導入や外出頻度の増加に向けたイベント等を開催することで、中山間地域の移動と活動を活発化する社会システムを構築し、事業終了後も継続的に運用されることを目指す。
<名大の実験概要①>
<名大の実験概要②>
TMFはこの事業に対し、今後3年間、総額約3億6千万円の支援を通じ、中山間地域に居住する人々が移動の自由を享受するとともに健康で豊かな暮らしの実現に向け、名古屋大学や地域とともに共同研究を実施していく。
プロジェクトの内容は以下の通り。
プロジェクト名 中山間地域におけるモビリティ活用型モデルコミュニティの構築
共同研究先 名古屋大学
協力団体 東京大学、足助病院、豊田市 等
期間 3年間
研究経費(見込み) 約3億6千万円
主な取組み
コミュニティ・サポート・システムの構築
(多様な移動手段の提供、外出頻度増加策の実施、人感センサーによる健康見守りの実施 等)
中山間地域に適した超小型モビリティの導入・改良
TMFは、2014年8月の設立以来、豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消に貢献することを目的に、タイやベトナムでの交通渋滞緩和に関するプロジェクトを助成するなど、世界のモビリティ分野における課題に取り組んでいる。
今後も、トヨタの技術・安全・環境に関する専門知識を活用しながら、大学や政府、NPOや調査研究機関等と連携し、都市部の交通課題の解消、パーソナル・モビリティ活用の拡大、次世代モビリティ開発に資する研究などの取り組みをさらに拡大していく。
※
Center Of Innovation 文部科学省・科学技術研究推進機構(JST)の公募による新たなイノベーションを作り出す施策で、産学が連携する研究プロジェクトを支援し、拠点を形成するプログラム。名古屋大学はじめ、全国で18の中核拠点が採択を受けて、研究活動を推進中。