日産・群走行しながらぶつからないロボットカー「エポロ」を開発 |
[ パーソナルモビリティ ] 2009年10月19日 |
日産は、2008年のCEATECでハチの行動解析にもとづく衝突回避技術を搭載したロボットカー「BR23C」を出展した。「BR23C」はロボット単体で障害物を回避するものであったが、今回、同社はこれを進化させした。
開発にあたっては、海中の障害物を回避しながら、集団の中でもお互いにぶつからずに泳ぐ魚群の習性に着目し、その3つの行動ルールをエポロの走行制御に応用した。
一般的に魚は、「側線感覚」と「視覚」により周囲環境を認識し、3つの行動ルールに従って魚群を形成する。「エポロ」は、この「側線感覚」をレーザーレンジファインダー、「視覚」をUWB通信技術により実現した。
この研究の責任者である総合研究所モビリティ研究室主任研究員の安藤敏之は、「魚群の行動は、一匹ごとの自由度や群の中での安全性、群全体の高い移動効率という点で、クルマ社会として学ぶところが大変多い。エポロでは、最新のエレクトロニクス技術を駆使して魚群の行動を再現した。周囲の環境情報は通信を使って群で共有され、柔軟に動きを変えながら安全に走行ができる。」と語った。
なお、相互通信技術により仲間の位置と車両情報を把握させることで、このような群走行を実現したロボットカーを開発したのは世界で初めてとなる。