第21回ITS世界会議デトロイト |
[ ITS/CASE&MaaS ITS海外情報 ] 2014年9月 8日 |
■世界会議の概要
【会期】 2014年9月7日(日)~11日(木)
【会場】 Cobo Center
【会議テーマ】 "Reinventing Transportation in our Connected World"
「つながる世界で、あらたな交通の創世へ」
【主催】 ITS America
【アンカースポンサー】 GM、Ford、Michigan DOT、Verizon、HNTBなど
【参加者】 約9000人
■基調
1.米企業の積極的参加
3年ぶりの米国開催が「Motor Town Detroit」で開催された。過去のNY、Orland開催においては米国企業の存在感は薄かった。特に6年前NY会議はリーマンショック、GM倒産の危機などで主スポンサーは独のBoschが務めた程であった。OrlandではKey NotespeechはGMの技術開発担当副社長が行ったもののその存在感は薄く、会議テーマも関心はもっぱら「経済成長と雇用」「セキュリティ」が重点であった。今回も2年前に「財政破綻したDetroit」での開催であり一抹の不安があったが、展示の6割を米国企業が占めるなどの積極参加でこの不安は解消されていた。
2.主テーマは「Connected vehicleと自動運転」
図はプログラムから作成した分野別のセッション数の上位5テーマである。図からも明らかのように会議の主要テーマは「Connected vehicleと自動運転」「ビッグデータ」であるが、国際協力の重要性が認識されているのも注目される。
開会式でのGM Ms. Mary Barra CEOやPL1でのFord CEO Bill Ford会長スピーチは何れもこのテーマに沿ったものであった。また、今回新たに設定したCTO(Chief Technical Officer)による4回のシンポジュームも「自動運転」がテーマであったし会場近郊で行われたTechical Showcaseも同様であった。
(備考)
CV(Connectedvehicle), BD(BigData), AT(Automated Transportation),
TS(Traffic Safety) IC(International Cooperation to Expand ITS)
■会議テーマの継続性
従来3極で開催される会議はそれぞれの開催国の自主性に任され相互の継続性は低かった。しかし今回は昨年の東京会議から「継続性」が意識された。昨年の主要テーマであった1「自動運転とビッグデータ」2.「市民参加」が今回も引き継がれた。昨年ビッグサイト・会場フロアで開催された「タウンミーテング形式」のシンポも昨年同様「自動運転」「ビッグデータ」をテーマに行われた。
また地元大学・高校生へのレクチャーと実車組立実験も行われており、ITSに関する裾野拡大の意図が見て取れる。そしてこの教育活動に日本企業がスポンサーになっているのも興味を引く。
■大きい日本企業の存在感
米国での開催ということでSession,については欧米の企業・団体 の登壇者が目立つ。また同時通訳もなく言葉の壁は大きい。
そんな中で、毎回のことであるがTechnical show case Exhibit何れも日本企業の存在感は大きい。また開会式とOpening Receptionにトヨタの豊田名誉会長は89歳の高齢ながら出席し注目された。キーノースピーチGMのCEO Ms. Mary Barraがトヨタの豊田英二氏や豊田工大の研究に言及したのは章一郎氏を意識した発言とも受け取れる。
■進む相互連携/アライアンス
「connected vehicle」「autonomous car」の推進にあたり産官学の連携は不可欠というのは関係者の共通の理解となっている。DOTのCAMP(衝突防止プロジェクト)、自動車メーカー、通信事業者、ミシガンDOT,ミシガン大学の連携例が各セクションで強調された。また、地域間連携の必要性も強調されたが、特に米欧の連携が目に付く。企業間では各種のアライアンスが組まれているが、ContinentalとIBMがES6で共同で発表するなど関係の深さを印象づけた。
■Award
毎年、米欧亜3極からITS貢献者「Fame of Honor」が表彰されるが今年はアジアから早稲田大学の石太郎氏(2004 ITS世界会議名古屋事務局長・元日産自動車)がITSへの長年の貢献が認められ「殿堂入り」した。日本からは豊田章一郎トヨタ自動車(株)名誉会長に続き二人目。
Lifetime Achievement award(永年貢献)
Lyle Saxton,.Heinz Soderkat,.Taro Ishi(石太郎)
また、昨年から設置された地域行政賞、企業賞は以下の通り
Local Government Agency Award(地方行政)
Mississippi DOT,.Transport for London
Enterprise(企業)
John Murray Sccottish Enterprise Scotland,Ciro Biderman mobilab ,Sao Paulo
■次回開催
【会期】 2015年10月5日(月)~9日(金)
【会場】 Congre et Expositions de Bordeaux
【会議テーマ】 "TOWARDS INTELLIGENT MOBILITY ―Better use of space"
【主催】 TOPOS