ITSワールド2013参加 |
2013年12月14日 |
「愛知ITSワールドと地域ITS」
12月12~15日に名古屋で「名古屋モーターショー」が開催され「ITSワールド」というイベントも併催され参加した。「ITSワールド」は2004年のITS世界会議以降名古屋モーターショーのたびに開催されている。先般の東京モーターショーで主催者事業として開催された「スマートモビリティシティ」の先行例で、地域ITSの先進県である愛知県ならではの行事である。
今年はITS関連展示に加えNRIの城田上席研究員の「ビッグデータとITS」についての講演、「討論会大学発!ITS研究最前線」という討論会が行われた。討論会では愛知ITS推進協議会の「大学セミナーWG(*)メンバー」と展示会場で研究紹介のブースを開設した地元の約10大学の学生が登壇し, 各大学の展示内容を紹介したあと質疑が行われた。「先駆的な活動をやっている愛知県豊田市の特色」「自動運転の動向と課題」「世代別のモビリティニーズ」などについて活発な討議が行われ、回答者側の大学WGメンバーも戸惑う場面もあったが、それだけ臨場感あるものとなった。
(*)同WGでは2004年以降、地元の大学と連携し「ITS移動講座」を実施し、毎年約1,000名が参加している。またITSジャパン発行の「日本のITS」にも、「大学との連携による普及啓発、人材育成例」として紹介されている。
研究紹介ブースでは、「フィールドデータに基づく運転支援技術の研究」「情報技術を活用した地域公共交通の利便性の向上」「ドライバーへの情報提供による地球環境負荷の低減」「見えないものを見せる!ドライバー支援技術」「"歩きスマホ"の危険性検証/ドライビングシミュレータを用いた運転中の人間の視線・生体情報の計測」等々、多岐にわたった研究内容を学生が熱心に紹介する場面が見られた。
ITSジャパン発行の「日本のITS」では、地域ITSについて、(1)交通移動の多様化、(2)情報提供・共有、(3)住民や観光客へのサービス、(4)大学との連携による普及啓発、人材育成、(5)普及啓発・調査研究に区分・整理している。 主な活動は、総合科学技術会の社会還元加速プロジェクト(*)のタスクフォースで選定されたITS実証実験モデル都市(青森市、柏市、横浜市、豊田市)の取り組みや長崎県 五島列島をモデルケースにEVと観光ITSを有機的に結びつけたプロジェクトなどである。
(*)2009年3月に社会還元加速プロジェクト「情報通信技術を用いた安全で効率的な道路交通システムの実現」のタスクフォースにおいて4市を選定
しかしITS「業界」関係者であればすぐ気づくことであるが、一部を除きかならずしも順調に展開されているとは言えない。また、推進の実質的な母体も行政(中央、地方)、企業、大学等まちまちである。このような状況下で、大学が修論や卒論研究―テーマとして取り上げて、それをサポートする活動は、次世代のITSを担う人材の育成、ITSの基盤作りとして地味ではあるが有効である。今後全国的な展開が期待される。
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12月12~15日に名古屋で「名古屋モーターショー」が開催され「ITSワールド」というイベントも併催され参加した。「ITSワールド」は2004年のITS世界会議以降名古屋モーターショーのたびに開催されている。先般の東京モーターショーで主催者事業として開催された「スマートモビリティシティ」の先行例で、地域ITSの先進県である愛知県ならではの行事である。
今年はITS関連展示に加えNRIの城田上席研究員の「ビッグデータとITS」についての講演、「討論会大学発!ITS研究最前線」という討論会が行われた。討論会では愛知ITS推進協議会の「大学セミナーWG(*)メンバー」と展示会場で研究紹介のブースを開設した地元の約10大学の学生が登壇し, 各大学の展示内容を紹介したあと質疑が行われた。「先駆的な活動をやっている愛知県豊田市の特色」「自動運転の動向と課題」「世代別のモビリティニーズ」などについて活発な討議が行われ、回答者側の大学WGメンバーも戸惑う場面もあったが、それだけ臨場感あるものとなった。
(*)同WGでは2004年以降、地元の大学と連携し「ITS移動講座」を実施し、毎年約1,000名が参加している。またITSジャパン発行の「日本のITS」にも、「大学との連携による普及啓発、人材育成例」として紹介されている。
研究紹介ブースでは、「フィールドデータに基づく運転支援技術の研究」「情報技術を活用した地域公共交通の利便性の向上」「ドライバーへの情報提供による地球環境負荷の低減」「見えないものを見せる!ドライバー支援技術」「"歩きスマホ"の危険性検証/ドライビングシミュレータを用いた運転中の人間の視線・生体情報の計測」等々、多岐にわたった研究内容を学生が熱心に紹介する場面が見られた。
ITSジャパン発行の「日本のITS」では、地域ITSについて、(1)交通移動の多様化、(2)情報提供・共有、(3)住民や観光客へのサービス、(4)大学との連携による普及啓発、人材育成、(5)普及啓発・調査研究に区分・整理している。 主な活動は、総合科学技術会の社会還元加速プロジェクト(*)のタスクフォースで選定されたITS実証実験モデル都市(青森市、柏市、横浜市、豊田市)の取り組みや長崎県 五島列島をモデルケースにEVと観光ITSを有機的に結びつけたプロジェクトなどである。
(*)2009年3月に社会還元加速プロジェクト「情報通信技術を用いた安全で効率的な道路交通システムの実現」のタスクフォースにおいて4市を選定
しかしITS「業界」関係者であればすぐ気づくことであるが、一部を除きかならずしも順調に展開されているとは言えない。また、推進の実質的な母体も行政(中央、地方)、企業、大学等まちまちである。このような状況下で、大学が修論や卒論研究―テーマとして取り上げて、それをサポートする活動は、次世代のITSを担う人材の育成、ITSの基盤作りとして地味ではあるが有効である。今後全国的な展開が期待される。
〔大学発 ITS研究最前線〕
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