パーソナルモビリティの公道走行実証実験特区Vol2 |
[ パーソナルモビリティ 他都市のまちづくり ] 2010年2月23日 |
構造改革特区推進本部は1月29日、つくば市が提案した「ロボット特区」を認証した。
ロボット技術を導入したセグウェイなど次世代の乗り物を、屋外で走行させられる全国初の構造改革特区「搭乗型移動ロボットの公道走行実証実験特区」に認定された。早ければ今夏にも実験がスタートする見通しという。
搭乗型移動ロボットは海外で実用例もあり、国内では近年、トヨタなどの自動車メーカーが紹介している。特区の範囲はつくばエクスプレスつくば駅と研究学園駅の半径二キロ程度にある幅が広い歩道や、乗用車が進入できないペデストリアンデッキ。走行できるのは各メーカーが実証試験を経て、既に利活用されている製品に限られ、走行速度も安全に考慮し、時速十二キロ程度に制限する。
具体的には、セグウェイジャパンや独立行政法人「産業技術総合研究所」(産総研)、日立製作所などが実証実験の計画作りに入る。
同市では「つくばは実証実験に最適な環境。将来、防犯パトロールでロボットを活用したい」とし、産総研フィールドロボティクス研究グループは「ロボットは屋外で動かすことで、完成度が格段に向上する。将来、自動車の乗り入れを規制した都市の乗り物や高齢者の移動手段など、多方面の活用が見込め、低炭素社会の実現にも大きく貢献できる」と話している。
実は、ロボット特区は2003年11月に福岡、北九州市が「ロボット開発・実証実験特区」に認定され、翌年の2月からは公道の実験が行われ2006年1月には「ロボット公道実験円滑化事業」という特例措置が講じられている。福岡の実験では、清水建設が、ロボット技術と建築物の融合した利便性が高く安全・安心な生活空間創出研究の一環として、建物や周辺施設から必要な情報をセンサで取得しながら屋内・外を自由・自在に移動する「車いすロボット」を市内のアイランドシティの公道において自動走行する実証実験を行った事例がある。 実験に使用した「車いすロボット」は、市販の電動車いすをベースに、新たに制御装置や各種センサなどを組み込んだもの。具体的には、移動する環境を認識するためのレーザレンジセンサ、建物や周辺施設などから情報を取得するためのICタグアンテナ、障害物検知と追随移動用の超音波センサなどのセンサシステム、車輪駆動用の制御装置と緊急停止装置などの安全装置を装備したと報告されている。中部国際空港では、トヨタのIunitが走行している。
しかし、道交法や道路運送車両法、電波法など現行制度上の位置付けがなく、公道での走行が認められていない。また基本的には、技術、交通需要さらには、経済性など解決すべき課題は多い。