トヨタのパーソナルモビリティ |
[ ITS動向 パーソナルモビリティ ] 2010年2月13日 |
トヨタは第41回東京モーターショー2009で、パーソナルモビリティi-REAL と Winglet を展示し、一般の方にも試乗できた。
同時に、トヨタカーライフ未来研究所がインターネット上の3次元仮想都市「トヨタメタポリス」で未来の都市におけるモビリティを提案し、「シームレスなモビリティ」として、車に搭載できるばかりでなく家の中にも入れる「i-Ling」を3D展示していた。
i-REAL、Winglet、i-Ling 等のパーソナルモバイルが、実用化に向けて今後どのように展開されるか注目される。
トヨタのパーソナルモビリティの歴史を記す。
トヨタのパーソナルモビリティは2003年の東京モーターショーに出展された「PM (Personal Mobility with visual communication system)」が最初で、「であう、つながる、あつまる」というコンセプトのもと、先端の情報通信技術の活用により、人とクルマとの心通うパーソナルモビリティで、3台のPMが連帯でデモ走行した。
初めて見た時のワクワク感、観客から起こった喝采の声を今だに覚えている。
PMに乗り込む時は、車体が立ち、シートがスライドして乗りやすく、走行して高速になるとF1のような寝たスタイルになり、車体が寝てきて低重心にし、空力特性を良くし、又運転しやすいようにしていた。
ホイールインモーターを採用した電気自動車で、小回りがきいて、その場で回転するこgができ、駐車スペースも少なくてすむ。
アクセルペダルとステアリングの代わりに「ドライビングコントローラー」という、ドライブ・バイ・ワイヤ技術を応用したシステムを採用している。これにより、ハンドルとアクセルを片手で操作でき、その場で回転したりなどの複雑な操作を行うことが出来る。
2005年の愛・地球博(日本国際博覧会)のトヨタ館のショーではi-unitが走行するショーが皆んなを楽しませてくれた。
i-unit は自由に移動したい、走ることを楽しみたいという個人の欲求の充足と、社会との調和、地球・自然環境との共生を高次元でバランスさせることを追求したパーソナルモビリティ。
IT、ITS技術を活用した運転支援システムにより事故のない交通社会の実現を目指しており、インフラ環境の整備された専用走行レーンでは、効率的で安全な自動走行を可能としている。
i-unitにはステアリングやアクセルペダルが無く、代わりにドライブ・バイ・ワイヤを利用したドライブコントローラーで片手で運転できるようにしたもので、簡単かつ思いのままに運転することが出来る。
筆者は愛・地球博前にITS Japan主催のITS大学セミナー講師として日本福祉大学を訪れ、i-unitの紹介も行ったところ、学生の方々が目を輝かせ聞いていただいたのを覚えている。質問では、早く実用化して、自分も使いたいという意見が出た。
又、ITS世界会議2005サンフランシスコの準備・運営に関わったが、i-unit が初めて米国で紹介され、会議参加者が賞賛の声をあげるのを見て、仕事をしたかいがあったと感じた。
2005年の東京モーターショーでは、それまでのパーソナルモビリティをより小型化し、クルマを「着る」感覚で、人にやさしい i-Swing が発表された。
ボディはさらに小さく、3輪(駆動輪×2+前輪)になり、さらに2輪でも走行できるようになった。立っている人と同じ高さにドライバーの目線を合わせ、人混みのなかでも走行しやすくした。
i-swingには2つのモードが存在し、低速時は前輪を収納して2輪で走行し、高速では前輪を出して3輪で走行する。またi-swingは速度や曲がる角度に応じて車体を自ら傾けることで、人間が動くときと同じようにバランスをとり、安定した乗り心地と高い運動性能を実現している。3輪から2輪へ移行するときは、ジャイロを使って倒立制御を行ない、止まることなく安定走行する。
クルマがよりヒトに近くなった印象をもった。
i-REALは、トヨタが開発してきたパーソナルモビリティを発展させ、実用化を目指し、より"人"に近づいたパーソナルモビリティ。
フロント2輪・リヤ1輪の3輪構成とし、歩行者エリアでは、歩行者と視線の高さを合わせて人の中に違和感なく溶け込める歩行モードに、車両エリアでは、ホイールベースを長くすることで低重心かつ高い走行性能をもつ走行モードに変化する。
中部国際空港で実際に使われており、筆者らは昨年見学に行った。
詳細は こちらの記事をご覧下さい。