第15回ITS世界会議ニューヨーク |
2008年11月26日 |
11番街の公道を使ったデモ「11th Avenue Theater」では実車で車々間、路車間通信を使った走行安全システム等のデモが行われた。残念ながらGMは直前に参加取り止めとなり、Big 3の展示も無く、開催国としてさびしい会議になった。
今回の目玉イベントとして、米国が進めるインフラ協調システム開発プロジェクトVII (Vehicle Infrastructure Integration)のデモが実施され、会議参加者はバスで見学できた。
オープニングセレモニー
開会式のキーノートスピーチは、ベンツで、1950年代から進めてきた「safty cabin」から、今日の「3D VISION CAR」にいたる安全取り組みを紹介した。
ITS Japan会長の豊田章一郎氏は「経済情勢の厳しい折に世界会議を開催したITS America、ニューヨーク市に感謝する。ITS推進の為今後ますます、日本、欧州、北米の協力、連携が必要」と挨拶された。
11番街デモ
11番街の5ブロックをクローズし、トヨタ、日産、ホンダ、ベンツ、VWが30分づつ4日間実車デモを行った。トヨタは、Universal Collision Avoidanceで交差点での事故回避、Traffic Signal Violation Warningで信号無視警告、Pedestrian Collision Advisorでは路車間協調で歩行者保護等のデモを行い、5.9GHzの周波数帯を使った車々間通信、路車間通信の先進技術をアピールした。
VII
VII(Vehicle infrastructure Integration)では、バスに乗車し、米国が進める5.9GHz DSRCの車々間、路車間通信を使った、交通安全と旅行者情報提供情報提供等が披露された。
ロングビーチまでの一般道からフリーウェイまで使った実験もあった。
右はVIIの主要人物の一人カリフォルニア大学バークレー校のマイセナー教授と河野理事長で、マイセナー教授はPATHプロジェクトとしてサンフランシスコ近郊の交通情報提供等を推進している。
展示
展示はトヨタ、日産、ホンダ、ベンツ、VWのカーメーカー、部品メーカー、インフラメーカー、ITS関係団体の他、米国運輸省、ミシガン大学、ニューヨーク市交通局等が出展した。
トヨタは、「将来のモビリティ社会」の提案と、その実現に向けたITSの取り組みを「環境」「安全」「快適」の3つの分野に分けて、インフラ協調型安全運転支援システム等を展示した。i-REALや3次元シュミレーターも関心を集めた。
ITS世界会議の歴史
ITS世界会議は、欧州・アジア/太平洋・米州の順で毎年開催されている、ITSに関する最も規模が大きい国際会議で、各国政府、地域のITS関連団体、大学、民間企業が、最先端のITS技術や製品を発表、展示する。
1994年パリで第1回ITS世界会議が開催され、第5回のソウルまでをITSの創成期、第10回のマドリッドまでを発展期とすると、今回の第15回までは実用期と言えるのだろうか。
2004年の第11回ITS世界会議 愛知・名古屋では実用化、あるいは実用化予定のサービスが展示され、デモもあった。又、市民参加を促進し、多くの市民にITSを知ってもらい、ジオラマで将来の姿を見てもらった。
2005年のサンフランシスコでは、大々的なデモ走行が初めて実施され、会議参加者だけでなく、市民も体験できた。
2006年のロンドン、2007年の北京に次いで、今回も11番街の公道を使ったデモ走行があったが、見るだけで乗車することはできなかった。