ITS-P21 レポート
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日時:2009年1月24日(土)午後2時〜午後5時
場所:名城大学名古屋駅前サテライト教室
講演・報告内容:
日進市のコミュニティバス「くるりんバス」は平成8年から試行、平成11年から本格運行され、現在循環型の7コース、11便/日/コース、バス停136カ所に拡充されている。年間利用者数は約50万人、1便当りの利用者数は約20人になっており、満足度調査の結果、満足・ほぼ満足を合わせ、高齢者で50から70%、非高齢者で約60%にのぼっている。
長久手町のNバス、東郷町のじゅんかい君と比較すると、じゅんかい君は1本おきの双方向の循環形態に対し、くるりんバス、Nバスは1方向になっている。くるりんバスは高齢者からも100円を徴収している代わりに、高齢者向け定期券(月1000円で乗り放題)があり、又、乗換割引により、1回の乗換えは無料になる。
調査結果の解析によると、満足度向上の為には
等があげられ、理想のコミュニティバス実現に向けては
等の提言があり、多くの質疑があった。
EUの環境政策に基づく交通まちづくりにおける、欧州先進都市のまちづくりと交通政策の調査結果が報告され、シュトゥットガルト市の紹介と豊田市との比較があった。
シュトゥットガルト中心市街地は、緑化と歩行者優先の公共空間の創造により、にぎわいを創出し、市民参加による都市再生計画の立案、開発が行われている。
豊田市と比較すると、総合的なモビリティマネジメント、公共交通相互の連携やモビリティの選択多様性で大きく水をあけられている。豊田市でも「中心市街地活性化プラン」で総合的な中心市街地の再開発かつ環境にやさしい災害に強い都市の創造がはかられており、今後に期待するべき点が多い。
参考として、とし交通政策を支援するEUの政策「CIVITAS」についての説明があった。
リニモの現状、問題点をふまえ、交通まちづくりにおけるNPOの役割として、市民と行政の橋渡し、公共交通を共につくり育てるという立場、行き詰まった都市交通問題に対する大きな政策転換、市民の納得があげられ、NPOが交通まちづくり活動を進めるために下記の提案があった。
MM(モビリティー・マネジメント)とは「当該の地域や都市を、過度に自動車に頼る状態から公共交通機関や徒歩などを含めた多様な交通手段を適度に利用する状態へと少しずつ変えていく一連の取り組みを意味する。」
又、MMはコミュニケーションという心理学的な手法を用いて、自動車から公共交通や徒歩・自転車へのモーダルシフトを促す手法である。
オーストラリアのパース都市圏、英国のMMの現状が報告され、日本では過疎地、物流面のMMが重要、又
MMがさらに発展させるには、公共交通機関を中心とした交通政策への転換や、それに対応するための街づくりと雇用形態の提言が重要で、地域を巻き込んだ社会全体の取り組みが重要との話しがあった。